日本の古都を訪ねよう
注意点:繫忙期はバスの乗車率が100%を超えるので電車やタクシーでの移動を推奨。
日本庭園好きの著者がオススメの庭園TOP30をピックアップしてみた
1:龍安寺

いわずと知れた日本最古にして最も有名な石庭であり、歴史の授業で習った人も多かろう。作者が無名ということが信じられないほどの完成度を誇り、計算しつくされて配置された石が庭の中に気勢の循環を鮮やかに映し出す。まさに一つの小宇宙だ。なお、「虎の子渡し」説は諸説の中の一つであることは覚えておこう。
2:天龍寺

名を曹源池庭園という、夢窓疎石作庭の傑作。池泉回遊式。視界いっぱいに広がる雄大な空間の前では、自分が景色に吸い込まれるような不思議な感覚にとらわれる。移動しながら鑑賞ポイントを選べるが、全体を一望できるポイントがないため、心象風景を補完せざるを得ない設計なのも心憎い。
3:正法寺

善峯寺方面にある、京都観光穴場中の穴場。真善美を体現した至高の庭園。東山を借景に動物を模した庭石が色とりどりの草木とともに目を楽しませてくれる。京都で一通りの名所を満喫したら、ここで閑静な時間を過ごすのも悪くないだろう。
4:松尾大社

重森三玲、完途親子による連作。曲水の庭、即興の庭、上古の庭、蓬莱の庭の4つが鑑賞可能。一つ一つの庭にそれぞれの良さがあり、贅沢なアトラクションを体験できる。個人的には池泉回遊式で、見る角度によって姿が多様な変化をみせる蓬莱の庭が一押し。
5:仙洞御所

要予約。
離宮・御所の特徴として草木の豊かな色彩と雄大で豪奢な景観があるが、ここも例に漏れない。相対的に巨大に感じるように設計された世界の中で、人は己の小ささを思わずにはいられない。当時の人々の労力はもちろん、メンテナンスを続ける庭師の方々にも頭が下がる。
6:桂離宮

要予約。
御所離宮にはずれなし。訪れたときは雨天だったがそれはそれで趣深く、庭の持つ多種多様な側面をうかがい知ることができた。彩り豊かな修学院離宮と比べると、落ち着いた色合いの印象を受けた。アクセスが多少悪いのが玉に瑕。
7:修学院離宮

要予約。
とにかく大きい。スケールが違う。小さい空間に一つの世界を顕現させる一般的な日本庭園とは異なり、現世に広大な楽土を再現しようという意図が見て取れる。いるだけで雄大な気分にれるので、折を見て訪れておきたい。
8:京都御所

近年予約不要になった。ということで大分混んでいるが、せわしなく見るには勿体ない景観の数々が目白押しなので、のんびりと散策する気分で行こう。建物も由緒あるものばかりで、歴史に思いを馳せるのに格好の場所だ。
9:鹿苑寺(金閣寺)

ミラーレイクが映える京都の一大名所。贅にあかせた成金趣味と侮っていても、一見すれば考えを改めざるを得ないだろう。主役の建物に目が行きがちだが、池中の岩や島に目を遊ばせれば、建物が焦点を散らすことのないように設計されており、ひとしおの興趣あり。
10:慈照寺(銀閣寺)

斜めに広がる白砂に向月台がアクセントを添え、モダンな雰囲気を醸し出す。何かと金閣寺と比される当寺だが、庭園の味は全く違う。前後左右上下から見る白砂は何かを問いかけるように佇み、禅の入り口に立っていることを自覚させる。なお、東求堂同仁斎は公開していることも多いので、立ち寄るのも良い。
11:大徳寺

画像は瑞峯院。多くの塔頭があり、大仙院などを除けばそれぞれが期間限定公開をてんでに行うので、一度や二度では廻りきることはできない。質・量ともに優秀な庭園群だが、そこが難。
12:東福寺

名園の密集地帯。塔頭の一つ一つに小さな宇宙が犇めいているといえばお判りいただけるだろうか。東福寺といえば、多くの人が通天橋から本坊の重森三玲作庭園へを目当てに訪れると思われる。勿論本坊庭園も傑出した庭園の数々であり、人生で一度は目にしておくべき作品ではあるが、せっかく東福寺に来たのなら他の塔頭に足を延ばしてみることを推奨する。通年公開している普門院・芥陀院・光明院だけでも素晴らしいし、一華院・霊雲院・龍吟庵等等も公開しているなら見逃す手はない。
13:城南宮

京都南部は観光コースとしてフィーチャーされることが少ないため、結果的に穴場スポットの一つとなった。平安の庭、室町のetcといった異なる装いの庭が歩みに合わせて姿を表す。どの庭も独特の風雅を味わえる、一粒で三度も四度もおいしい名所だ。
14:圓光寺

アバンギャルドな庭園といえば、当寺の「奔龍庭」に勝るものはなかなかない。雄渾に屹立する石柱と力強い砂紋を目にすれば、常識が破壊される感覚を身をもって知ることができる。一乗寺エリアの必須スポット。
15:将軍塚青龍殿

東山山上にある遺構。実は青蓮院門跡だったりする。京都の絶景を楽しみ、季節によっては桜や紅葉が満開で美しく彩られ、配置された枯山水をじっくりと鑑賞できる。京都観光の穴場の一つ。なお、アクセスはバスやタクシーが主として紹介されているが、蹴上駅から歩いたほう(約15分)が帰りの利便性も良い。
16:二条城

全国に偏在する小堀遠州作と伝えられる庭園の中では数少ない真作である。豪快に屹立する岩が武士らしい峻厳さを表し、風雪を経ても衰えない鋭気を見せる。京都随一の観光地であり、ここは絶対に外せないだろう。
17:知恩院

観光ルートに組み込みやすい立地なので、行ったことがある人も多いだろう。複数の庭が存在する当寺だが、いずれも趣旨が異なり、別々の雰囲気を味わうことができる。
18:梅小路公園

知る人ぞ知る通称朱雀の庭。一応鉄道博物館方面に進んでいく進路にあるのだが、存在感はあまりに儚い。従来の庭園の設計に幾何学的な直線や曲線を取り入れた野心的な試みは、モダンな雰囲気の域を超え、庭園の定義を捉えなおす新しい作品として輝きを放つ。
19:妙心寺

規模に比して日本庭園の数は少ないが、塔頭の退蔵院は別格である。上下の段差と色彩の心地よいマッチングが心を震わせ、別世界に来た実感を与えてくれる。妙心寺に参拝するなら是非とも押さえておきたいポイントだ。
20:無鄰菴

コロナ禍によって要予約となってしまった山県有朋の別邸。京都の庭園の中では3指に入るほどの完成度を誇る。七代目小川治兵衛の傑作。なだらかな勾配を巡りながらの散策は、ここでしか味わえない落ち着きがある。
21:興聖寺

宇治方面に足を運んだ時には足を伸ばしておきたい名所の一つ。幾何学的に分割される地面に対し、沿道で高さと色彩を主張する立石・植栽がコントラストを成す。勿論書院裏の庭園も美しいので見逃さないように。
22:醍醐寺

醍醐の花見と言えば通じる京の観光名所。画像は醍醐寺三宝院だ。日本庭園の極北といっても差支えない秀麗な景色は何度訪れても心を震わせるものがある。長いこと写真撮影禁止だったが近年解禁された。
23:平安神宮

朱塗りの巨大なを鳥居をくぐりぬけ、まっすぐ進めばその先は平安神宮だ。神苑は社殿を取り囲むように広がり、七代目小川治兵衛の力作を楽しむことができる。雰囲気はとにかく「雅」に一言に尽きる。「平安」の名に恥じない心休まるひとときを過ごすことができる。
24:智積院

通称「利休好みの庭」。理想的な築山がエモーショナルな雰囲気を漂わせる。
25:実相院

不思議な設計の日本庭園。完成された小宇宙ではなく手前の欠落を表象することで前方に視線誘導し、借景へと繋げていく。
26:等持院

夢窓疎石作。鮮やかな植栽と頑なな石が調和して壮大なシンフォニーを奏で上げる。水面に映える景色も美しく、感嘆の声をあげざるを得ない。
27:金地院

日本一有名な鶴亀の庭。南禅寺の塔頭であるがあえて個別にピックアップさせてもらう。左右に屏風のように広がる風景のなか、右手には鶴島が、左手には亀島がどっしりと構え、配置の対称性と質の非対称性が鑑賞者の感性に訴えかける。見れば見るほど奥深さがあり、名勝のゆえんたる風格を漂わせる。
28:報酬庵一休寺

一休禅師が晩年を過ごした寺。京都駅から大分南下したところにあり、アクセスも悪いため、ここを目当ての観光客は多くないだろう。しかし当寺は指定名勝の方丈庭園を含め3つの庭園が在し、見どころ満載だ。足を運ぶ価値は十分にあるだろう。
29:西芳寺

要予約
通称苔寺。景観保護のために観光客の数を制限してずいぶん経つが、はたから見ても苔の痛みが激しく、残念な気持ちになった。ふかふかの苔を楽しみたいというならば、他所の寺社に期待したほうがいい。参拝料4000円とあまりお財布に優しくないので覚悟すべし。
30:建仁寺

画像はリニューアルした建仁寺霊源院庭園。風神雷神図屛風で有名な建仁寺だが、庭園鑑賞の上でも他の名所に引けを取らない良さがある。無心に時を過ごすか、フォトジェニックな景色を楽しむか、来訪者それぞれの差が際立つ場面が見受けられた。

